不育症の検査や治療って何するの? 鍼灸で治療できる?
不育症とは、妊娠可能なものの、流産や死産を2回以上経験し、出産に至らない状況をさします。普通の妊娠でも流産は15パーセントから20パーセントの確率で起こります。日本においては、不育症の患者数は約30万人から50万人とされ、決して稀な病気ではないとされています。
『不育症管理に関する提言2021』によると、不育症は2回以上の流産や死産を経験した場合に定義されます。たとえば、最初の妊娠で流産した後、次の妊娠で出産が成功し、その後の妊娠で再び流産した場合など、流産や死産が連続していないケースも不育症とされています。
妊娠初期における流産の多くは、残念ながら治療の手が及ばない染色体異常が原因です。これは医学の進歩によっても変わらない事実であり、すべての妊娠には流産の可能性が伴います。反復流産、つまり2回の流産を経験するケースは全妊娠の約4%であり、3回以上の流産を経験する習慣流産は1%から2%の割合で発生しているとされています。これらの数字は、流産が決して珍しい出来事ではないことを示しており、多くの女性がこの困難に直面していることを意味しています。
不育症、つまり繰り返し起こる流産は、妊娠に関わる全ケースの約4.2%で見られ、現在日本では100万人を超える女性がこの問題で苦しんでいるとされています。不育症の主な原因には、染色体異常、免疫学的異常、内分泌学的異常、子宮の形態異常などがあり、これらの問題は流産や死産につながることがあります。特に、抗リン脂質抗体症候群や子宮の先天異常、両親の染色体異常、胎児の染色体異常、内分泌疾患などが原因として挙げられています。不育症は決して珍しい病気ではなく、適切な診断と治療によって多くの女性が出産に成功しています。
不育症は妊娠は可能でも子どもを得ることが難しい状態です。多くの方が「どのような治療が必要なのか」「不育症は治療可能なのか」と疑問に思っています。不育症の治療は原因に応じて異なり、抗リン脂質抗体症候群や子宮の形態異常、染色体異常など、様々なリスク因子に基づいて行われます。治療を受けた後の出産成功率はリスク因子によって異なりますが、約80%まで改善されることもあります。
また、不育症の方は 流産回数は多くても、子供を持てる率は一般のカップルとは差がないことが研究でわかっています。ですので、不育症であっても必ずいつか赤ちゃんを抱ける日が来ることを決して諦めないでください✨
・不育症の検査と治療について
《不育症検査で特定できるリスク因子》
1) 内分泌機能の血液検査では、甲状腺、下垂体、卵巣のホルモンを調べ、糖尿病の有無も確認します。これにより、妊娠に必要なプロゲステロンやプロラクチンのレベルが適切かどうかが分かります。
2) 子宮形態の検査には、子宮鏡検査と子宮卵管造影検査があり、子宮内部と卵管の状態を評価します。これにより、子宮筋腫や先天的な異常があるかどうかが判明します。
3) 自己抗体検査では、体自身に対する抗体を調べ、血液が固まりやすい状態かどうかを確認します。これは流産のリスクを高める可能性があります。
4) 凝固系検査では、血液の凝固能力と凝固因子の量を測定し、異常がないかを確認します。
5) 染色体検査では、夫婦の染色体の数や状態を調べ、流産のリスクを把握します。現在、染色体異常に対する治療法はありませんが、着床前診断が流産を避ける選択肢の一つです。
低用量アスピリンとヘパリンの併用療法は、抗リン脂質抗体症候群や血液が固まりやすい状態などの病態に対して行われる抗凝固治療です。この治療法は、血液を流動的に保ち、抗リン脂質抗体によって引き起こされる血栓形成を防ぎます。抗リン脂質抗体症候群は、不育症の主要な原因の一つであり、自己抗体による血栓が血流を悪化させ、胎児への栄養供給を妨げる疾患です。低用量アスピリンやヘパリンの併用により、胎児の成長を妨げる要因を取り除くことができ、妊娠継続および出産の可能性を高めることが示されています。
不育症の検査や治療に助成金が出る自治体もあります♡
https://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/fuiku-dokujijosei.html
抗リン脂質抗体症候群とは?
抗リン脂質抗体の存在は血液の凝固を促し、血栓形成を引き起こして血流を阻害し、結果として胎児への栄養供給が不足することになります。抗リン脂質抗体症候群による流産リスクを減らすためには、血栓の形成を抑制する治療が必要です。そのために低用量アスピリンとヘパリンの併用療法が推奨されています。
不育症についての研究も少しずつ進んでいます!
https://www.kobe-u.ac.jp/ja/news/article/2020_06_26_01/
不育症は全てのメカニズムが解明されているわけではありませんが、精神的なストレスの解消によって妊娠・出産率が上昇するといわれています。
さらに、鍼灸が子宮の血流を改善し、血流の向上に加えて、着床を支援する免疫寛容を促進する効果があることが分かっています。当院では長年不妊治療専門として培った知識と経験を活かし、不育症の方には特に血流を良くするためのツボを使ったりと、様々なツボを使い、継続して『巡りの良い体』にしておくことで何度も流産を繰り返してきた方々を、数多くご出産までサポートさせていただいております。
血流を良くし、自律神経を整えることが免疫のバランスを整え、妊娠しやすい体質を作り、妊娠を維持しやすくすることにつながると考えております。
福岡で長年不妊治療専門としてたくさんの方を診てきた経験から、不育症で流産を繰り返している方は、東洋医学上、『腎虚』、『瘀血』という体質であることが圧倒的に多いです。少し時間はかかりますが、1日でも早く体質改善をスタートしていただき、しっかり継続していただくことで無事ご出産に至った方をたくさん見てきております♡
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