骨盤矯正だけじゃ不十分?産後ママに必要な本当のケアとは
出産後、多くのママが気になる「骨盤矯正」。SNSやメディアでも頻繁に取り上げられていますが、実は骨盤矯正だけでは本質的な回復には不十分であることをご存じですか?
この記事では、医学的根拠と東洋医学の視点をもとに、産後の女性が本当に必要としているケアについて詳しく解説します。
骨盤矯正とは何をするのか?
産後の骨盤矯正とは、妊娠・出産により開いたりゆがんだりした骨盤を、元の正しい位置に戻すことを目的とした施術や運動です。
🔍 骨盤がゆがむ原因|医学的な詳解
骨盤のゆがみとは、「骨盤を構成する骨や関節が正常な位置関係を保てず、姿勢や運動に影響を与える状態」を指します。これは産後に限らず、日常生活や加齢でも起こり得ますが、特に妊娠・出産後の女性には以下のような明確な原因が存在します。
① 妊娠中のホルモン変化と関節の弛緩
▶ リラキシン(Relaxin)の影響
妊娠初期から分泌が始まるホルモン「リラキシン」は、出産に向けて恥骨結合や仙腸関節の靭帯をゆるめる作用があります。これにより骨盤が開きやすくなり、赤ちゃんが産道を通る準備が整います。
✅ 弛緩する部位:
- 恥骨結合(pubic symphysis)
- 仙腸関節(sacroiliac joint)
- 骨盤底筋(pelvic floor muscles)
ただし、リラキシンの作用は出産後もしばらく続く(6〜12週間)ため、その間に負担がかかると骨盤の不安定性が強くなります。
② 骨盤底筋群・腹部筋群の機能低下
妊娠中・出産時に最も大きな負荷がかかるのが骨盤底筋群(pelvic floor muscles)と腹直筋・腹横筋(core muscles)です。
- 骨盤底筋は子宮・膀胱・直腸など骨盤内臓器を支える役割を持ち、出産時に損傷・伸展を受けやすい
- **腹直筋の離開(Diastasis Recti)**が起こると腹圧コントロールが不良になり、骨盤の前後傾に影響
これらの筋群が弱化すると、骨盤を安定させる力が失われ、「ゆがみ」や「傾き」を引き起こします。
③ 産後の姿勢不良・育児動作のクセ
出産後の生活では、無意識に身体に偏った負担をかける動作が増えます。
- 授乳時の猫背姿勢
- 片側抱っこによる骨盤の傾斜
- 長時間の立ちっぱなしや寝不足
これらは「筋膜・靭帯・筋のアンバランス」を生み、骨盤に歪みを生じさせる大きな要因となります。
④ 出産時の物理的な外力
自然分娩では、赤ちゃんが産道を通過する際に、骨盤には大きな力が加わります。
- 骨盤出口(Outlet)が最大限に拡がることで、恥骨結合の開大や仙腸関節の変位が生じやすい
- 難産や器械分娩(吸引・鉗子)では、局所的なズレや損傷のリスクが高まる
また、帝王切開の場合でも妊娠中のホルモンの影響や筋機能の低下は同様に起こるため、骨盤のゆがみが起きないとは限りません。
⑤ 関節・筋膜の連動による二次的ゆがみ
骨盤は、以下のような部位と密接に連携しています。
- 脊柱(特に腰椎L4〜L5、仙骨)
- 股関節(大腿骨頭と寛骨臼)
- 大腿筋膜張筋・腸腰筋・中殿筋などの筋群
そのため、骨盤のゆがみは単体で発生するのではなく、全身の筋膜ラインの緊張バランスや、左右非対称な使い方(歩き方、立ち方)により助長されます。
骨盤矯正だけでは足りない3つの理由
1. 骨盤を支える「筋肉」まで整えないと戻らない
骨盤は、骨だけでなく周囲の筋肉(骨盤底筋群・腹横筋・多裂筋など)が支えることで安定しています。
骨の位置を手技で整えても、筋肉が弱ければすぐに元に戻ってしまうのです。
2. 自律神経・内臓機能にも影響が及ぶ
産後の体は「ホルモンの変動」「睡眠不足」「精神的なストレス」によって、自律神経や内臓のバランスも崩れがちです。骨盤だけ整えても、全身の回復が不十分であれば不調は続きます。
3. 東洋医学的には「腎・血・気」の回復が重要
東洋医学では、出産後の女性は「腎虚(じんきょ)」「血虚(けっきょ)」「気虚(ききょ)」の状態にあると考えられます。
- 腎虚:成長・生殖・骨の力が弱まる → 骨盤が不安定に
- 血虚:出血により血が足りない → 筋肉・子宮の回復が遅れる
- 気虚:体力やエネルギー不足 → 疲れやすく心も落ち込む
つまり、骨盤矯正だけでなく、身体の“内側”からのケアが必要なのです。
医学的に推奨される産後ケアの全体像
✅ 骨格の安定化
- 目的:骨盤のゆがみや傾きを整える
- 方法:整体、理学療法、ピラティス、骨盤ベルトの使用など
✅ 筋力の再教育
- 目的:骨盤を支える筋肉の回復(特に骨盤底筋群)
- 方法:ペリネトレーニング、腹圧調整、インナーマッスルエクササイズ
✅ 自律神経とホルモンの調整
- 目的:精神面の安定と睡眠・代謝の正常化
- 方法:鍼灸・アロマ・睡眠環境の改善・ヨガ・呼吸法など
✅ 栄養・休養・心理的ケア
- 栄養:鉄・タンパク質・亜鉛・カルシウムなどの産後補給
- 休養:睡眠と休息を最優先に
- メンタル:育児ストレスや産後うつへの支援(カウンセリング、母親学級)
東洋医学に学ぶ「産後の黄金ケア」
東洋医学では、「産後の女性は骨盤が“空”になり、そこに寒や邪気が入りやすい」とされます。そのため、以下のような養生が重要です。
▶︎ 産後の三大ケア法(東洋医学編)
- 補腎(腎を養う)
→ 山芋・黒ごま・なつめ・小豆などを積極的に取り入れる - 温経散寒(体を温め、血流を促進)
→ よもぎ蒸し・足湯・温灸・生姜湿布などで冷え対策 - 補気養血(エネルギーと血を補う)
→ 食事・漢方(当帰・人参・黄耆など)で体質改善
🌿 東洋医学に学ぶ「腎・血・気」の回復とは?
東洋医学では、出産後の女性の体は「大きな消耗状態」にあるとされ、特に**「腎(じん)・血(けつ)・気(き)」の消耗とバランスの崩れ**が起きると考えます。これらはそれぞれ以下のような意味を持ち、産後のケアの軸となる概念です。
① 腎(じん)|生命力と骨盤・生殖器をつかさどる源
腎は、東洋医学で「生命の根本(精)」を蓄える場所とされ、特に次の機能と深く関係しています。
- 生殖(妊娠・出産・月経)
- 成長・発育・老化
- 骨・歯・耳・脳などの働き
- 体内の水分代謝
🌸 産後の「腎虚」とは?
- 妊娠・出産で腎精(じんせい)=生命エネルギーの元を大量に消耗
- 腰痛・冷え・頻尿・疲労感・抜け毛・性機能の低下などの症状が現れることも
- 骨盤を構成する「骨」や「仙腸関節」も腎の管理下にあるため、腎虚は骨盤のゆがみや不安定性につながる
🥣 腎を補うケア法(補腎)
- 黒ごま、黒豆、なつめ、山芋、くるみ、うなぎ、海藻類などを摂る
- 腎のツボ(太渓、腎兪など)へのお灸や指圧
- 下半身の冷えを防ぐ(腹巻・レッグウォーマー)
② 血(けつ)|栄養・ホルモン・情緒の安定に関与
東洋医学での「血」は、単に赤血球や出血という意味だけではなく、
- 体に栄養を与える液体全般
- 精神や感情を安定させる基盤(=「血は神を養う」)
として重要視されます。
🌸 産後の「血虚」とは?
- 出産で大量の血液を失い、栄養や潤いが不足した状態
- 顔色が悪い・貧血・爪が割れやすい・髪のパサつき・不眠・情緒不安定などの症状が出やすい
- 子宮や筋肉への栄養供給が不十分となり、回復の遅れ・産後うつ傾向に結びつく
🥣 血を補うケア法(補血)
- 当帰・紅花・なつめ・レバー・黒きくらげ・プルーンなど
- 血海・三陰交などの経穴への刺激
- 睡眠と休息をしっかり取る(血は夜間に肝で生成されるとされる)
③ 気(き)|エネルギーと免疫、代謝、回復の源
「気」は東洋医学において最も基本的かつ重要な概念で、以下のような役割を担っています:
- 体を温める(温煦作用)
- 血を動かす(推動作用)
- 病気を防ぐ(防御作用)
- 内臓を支える(固摂作用)
🌸 産後の「気虚」とは?
- 出産で極度の労力・体力を使い果たした状態
- 倦怠感・息切れ・声のかすれ・下垂感(胃下垂・子宮下垂)・母乳不足・免疫低下など
- 産後に動きすぎると「気虚」→「気脱(きだつ)」という危険な状態になる可能性も
🥣 気を補うケア法(補気)
- 高麗人参、黄耆(おうぎ)、なつめ、もち米、長芋などを活用
- ツボ:中脘・気海・関元など(お腹の中心に多い)
- 笑いやリラックスで気の流れをよくする(気は感情とも関係)

骨盤矯正+全身ケアが産後リカバリーの鍵
産後の骨盤ケアは「矯正」だけでは成り立ちません。正しくは、
骨格を整える × 筋肉を育てる × 内臓・神経・血流を整える
という多角的なアプローチが必要です。
東洋医学では「産後の一ヶ月は一生を左右する」とも言われます。
これは、回復のゴールデンタイムである産後にしっかり「腎・血・気」を補っておくことが、その後の女性の体質・更年期・老年期にまで大きな影響を及ぼすという考えに基づいています。
骨盤矯正と並行して、食養生・漢方・ツボ刺激・温活・気の流れのケアなど、内から整える東洋医学的ケアをぜひ取り入れてみてください。
骨盤矯正だけで満足しないで。全身を労わる産後ケアを
骨盤矯正は、あくまでも回復の“ひとつの手段”でしかありません。出産という大仕事を終えた身体には、構造・機能・精神・栄養のすべてをトータルにサポートするケアが必要です。
産後の体と心を本当の意味で回復させるために、
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