慢性子宮内膜炎はどうすれば治る?|医学的治療と鍼灸で整える子宮内環境
妊活や不妊治療をしている方にとって「慢性子宮内膜炎」という病名を耳にする機会が増えています。
妊活を続けているのに、なかなか妊娠に至らない。
体外受精で良好な胚を移植しても着床しない、または初期流産を繰り返す…。
そんな方の中に、近年「慢性子宮内膜炎」が関係しているケースがあることが分かってきました。
慢性子宮内膜炎は、子宮内膜に軽度の炎症が長期間持続している状態で、自覚症状がほとんどないため見逃されやすい疾患です。しかし、子宮内膜が炎症を起こしていると、受精卵が着床しにくくなったり、妊娠が継続しにくくなったりすることが知られています。
特に体外受精や反復流産に悩む方にとって、この疾患は妊娠成立・継続の大きな壁になることがあります。本記事では、医学的な視点と東洋医学(鍼灸)による視点の両面から「慢性子宮内膜炎はどうすれば治るのか」について詳しく解説します。
慢性子宮内膜炎とは?
子宮内膜炎は、子宮内膜に細菌や病原体が侵入して炎症を起こす病気です。
子宮内膜とは、妊娠の際に受精卵が着床する「ベッド」のような場所です。
慢性子宮内膜炎では、その子宮内膜に細菌感染などによる炎症が持続します。
急性の炎症とは違い、発熱や強い腹痛はほとんどなく、**「気づかないまま不妊の原因になっている」**ことが多いのが特徴です。
急性の子宮内膜炎は発熱や腹痛を伴いますが、慢性子宮内膜炎は自覚症状がほとんどないため、気づかないまま不妊や流産につながるケースが少なくありません。
近年の研究では、反復着床不全や習慣性流産の女性の約30〜40%に慢性子宮内膜炎が見られると報告されています(Cicinelli et al., 2015)。
そのため不妊治療クリニックでは、子宮鏡検査や子宮内膜組織検査でこの疾患の有無を調べることが一般的になっています。
慢性子宮内膜炎と妊娠の関係
① 着床障害
慢性子宮内膜炎では、子宮内膜の細胞が**受精卵を受け入れる「着床期」**に正常な状態になれず、着床率が低下します。
特に、**免疫細胞(NK細胞やマクロファージなど)**の働きが過剰になり、受精卵を「異物」と認識して排除してしまうケースもあります。
② 流産のリスク上昇
慢性子宮内膜炎があると、妊娠が成立しても初期流産のリスクが約3倍に上がるという報告があります(Cicinelli et al., Human Reproduction, 2015)。
③ 子宮内環境の悪化
炎症によって線維化(瘢痕)が進行すると、血流やホルモン受容体の分布に影響を及ぼし、子宮内膜が「着床しにくい状態」に。
東洋医学の視点からみた慢性子宮内膜炎
東洋医学では、慢性子宮内膜炎を炎症体質ととらえ、免疫が弱くなりやすいタイプなのか、再発しやすいタイプなのかを「胞宮(子宮)の気血の滞り」「瘀血(おけつ)」「湿熱(しつねつ)」などの病態で考えます。
1. 「気血の滞り」タイプ
病態の説明:
「気」とは生命活動の根本的なエネルギーであり、体内を循環して血液や津液(体液)の流れを司ります。
慢性的なストレス、感情の抑圧、過労、睡眠不足、冷えなどによって「気の流れ」が滞ると、血流の流れも悪くなり、子宮(胞宮)への十分な血液供給が妨げられます。
この状態が長期化すると、子宮内膜の再生や剥離がスムーズに行われず、修復不全が続いて炎症が慢性化しやすくなります。
主な症状:
- 月経前や排卵期に下腹部の張りや痛みがある
- 月経周期が不安定
- イライラ・ため息・胸のつかえ感
- 月経血の量が少なく、色が暗赤色
- 経血に小さな塊が混じる
体質的傾向:
気滞体質(ストレス反応が強く、神経過敏)
→ 自律神経のバランスが乱れ、ホルモン分泌のリズムも崩れやすい。
鍼灸治療のポイント:
滞っている「気の流れ」を整えるツボを使い、身体や子宮内の循環を改善します。
ツボを使い刺激することで、体質を改善し骨盤内の血流を促進、子宮内膜の代謝と免疫調整をサポートします。

2. 「瘀血(おけつ)」タイプ
病態の説明:
瘀血とは、「古い血が体内に滞り、新しい血の流れを妨げている状態」を指します。
子宮内膜の剥離が不完全であったり、冷えやストレスにより血管が収縮することで、子宮内に血液のうっ滞(うっ血)が生じ、局所的な炎症や線維化を助長します。
瘀血は「長く続く微小循環障害」とも言え、これは西洋医学の「慢性炎症による微小血流の障害」と一致します。
主な症状:
- 月経痛が強い(刺すような痛み)
- 経血が黒っぽく、レバー状の塊が多い
- 月経の終わりに少量の黒い出血が続く
- 下腹部の冷えや張り感
- 肩こり・頭痛・くすみ・シミが出やすい
体質的傾向:
血流が悪く、冷えやすく、肌のターンオーバーも遅いタイプ。
婦人科疾患の中でも、子宮筋腫・子宮内膜症・着床障害などと関係が深い。
鍼灸治療のポイント:
「瘀を去り」「血の巡りを良くする」ツボを選ぶことが中心になります。
さらに灸や温熱療法を併用して、子宮を温めながら骨盤内の血流を改善し、老廃物の排出を促します。

3. 「湿熱(しつねつ)」タイプ
病態の説明:
湿熱とは、「体内に余分な水分(湿)」と「熱」がこもった状態を指します。
これは東洋医学でいう“感染性炎症”に近く、膣~子宮内で細菌バランスが崩れた状態です。
湿が停滞すると炎症が長引き、熱がこもると炎症性サイトカインが上昇して子宮内膜の免疫反応が過剰になります。
つまり、慢性子宮内膜炎でよく見られる「軽度の炎症が治りきらない状態」は、この湿熱の病態で説明されます。
主な症状:
- 膣分泌物が多い、においが強い、黄白色~黄色っぽい
- 下腹部の重だるさや圧迫感
- 月経前に熱感・のぼせ・イライラ
- 舌が赤く、苔が黄色くべっとりしている
- 脈が滑数(なめらかで速い)
体質的傾向:
消化器が弱く、脂っこいものや甘いものを好む人に多い。
腸内環境や膣内環境の乱れが湿熱体質を悪化させる。
鍼灸治療のポイント:
「清熱利湿(せいねつりしつ)」=熱を冷まし、湿を取り除く施術を行います。
体内の余分な湿熱を排除し、免疫系を整えて自然治癒力を高めます。

鍼灸によるアプローチ:慢性子宮内膜炎を根本から整える慢性子宮内膜炎の治療戦略
慢性子宮内膜炎は、子宮そのものに炎症が起きているだけでなく、
その背景には「全身のエネルギーバランスの乱れ」が存在します。
鍼灸治療では、この全身と子宮(胞宮)との連携を回復させることを目的とします。
1. 治療の基本方針:胞宮を中心とした「五臓」の調整
東洋医学では、子宮を「胞宮(ほうきゅう)」と呼び、
腎・肝・脾の三臓と密接に関わると考えます。
- 腎 … 生命エネルギー(精)を蓄える。生殖・ホルモンの根本。
- 肝 … 気血を巡らせ、月経や排卵のリズムを司る。
- 脾 … 血や気を生み出す源。免疫・代謝に関わる。
慢性子宮内膜炎では、この三臓のいずれか、あるいは複数が弱まり、
気血の巡りが悪くなった結果として炎症が慢性化しています。
鍼灸では、単に局所(子宮周囲)を刺激するのではなく、
腎・肝・脾の機能を回復させて、子宮内膜の「再生力」と「防御力」を高めることを目的とします。

2. 「腎」を補い、生命力を高める
慢性子宮内膜炎を繰り返す方には、腎虚(じんきょ)を伴うことが多いです。
腎は「先天の本(せんてんのもと)」と呼ばれ、生殖やホルモンバランスを司ります。
腎の力が弱ると、子宮内膜の再生力・免疫機能・ホルモンの反応性が低下します。
主な施術方針:補腎(ほじん)
腎を補うことで、卵巣機能・黄体機能を高め、子宮内膜の血流と厚みを改善します。
こんな方に:
- 流産を繰り返している
- 月経血が少ない・薄い
- 体が冷えやすく、代謝が低い
- 慢性的に疲れやすい

3. 「肝」の巡りを整え、気血の流れをスムーズに
肝は「疏泄(そせつ)」といって、全身の気血の流れをスムーズにする臓腑です。
ストレスや感情の抑圧により肝の働きが滞ると、「気滞(きたい)」が起こり、
それが血流障害やホルモンリズムの乱れを引き起こします。
肝気が滞ると、子宮内膜への血流が不足し、免疫細胞のバランスが乱れ、炎症が長引くことがあります。
主な施術方針:疏肝理気(そかんりき)
ストレスによる自律神経の乱れを整え、ホルモンと免疫のバランスを正常化させます。
- イライラ・不安感・緊張が強い
- 生理前に胸の張り・頭痛がある
- 月経周期がバラバラ
- 冷えのぼせがある

. 「脾」を強化し、免疫と代謝を整える
脾は「後天の本」と呼ばれ、飲食から気血を作り出す臓腑です。
脾が弱ると、血を作る力が低下し、免疫機能も乱れやすくなります。
慢性子宮内膜炎では、粘膜免疫が過剰反応または低下しており、これは脾虚と関連します。
主な施術方針:健脾益気(けんぴえっき)
脾の機能を高め、子宮粘膜の修復力・免疫バランスを回復します。
こんな方に:
- 胃腸が弱く、むくみやすい
- 分泌物が多い・ねばつく
- 疲れやすく免疫力が低い
- 舌に白い苔が多く、舌の縁に歯型がある

5. 「局所(子宮)」への血流促進と免疫調整
慢性子宮内膜炎では、子宮内膜の局所血流と免疫のアンバランスが問題になります。
鍼灸では、骨盤内循環を改善し、子宮内膜の修復と免疫環境の正常化を促します。
局所施術に加え、**背部兪穴(腎兪・脾兪・肝兪)**への刺激で内臓機能を調整し、全身から子宮環境を支えます。
慢性子宮内膜炎は「抗生剤だけでは治りにくい」「再発を繰り返す」特徴があります。
それは、炎症そのものよりも、「炎症が起きやすい体質」が根底にあるからです。
鍼灸では、腎・肝・脾の働きを整え、気血の巡りを良くすることで、
「炎症を起こさない体」へと体質を根本から変えていくことが可能です。
西洋医学の治療に加えて、東洋医学の知恵を取り入れることで、
皆様が一日も早く新しい家族を迎える日が来るよう願っております。
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